パラグラフ構造で文章を書く方法【基礎編】
こんにちは。ケンズです。
パラグラフという言葉は聞いたことはある。。でも書き方がわからない。。文章をうまく書けるようになりたい。いまいち自分の文章が人に伝わらない。。パラグラフについて具体的な解説をして欲しいって思ってませんか?
本記事はこういった質問にお答えします。
私はリベラルアーツの大学卒なので詳しく解説します。
本記事の内容
- パラグラフライティングとは?
- パラグラフ構造のまとめ
1.パラグラフライティングとは?
皆さんはパラグラフライティングという書く方法はご存知でしょうか? 相手に自分の意見が伝わってない。。自分の文章は明瞭さに欠けているのでは。。って思っている人はパラグラフで書くことで解決するかもしれません。
パラグラフとは「1つのメインアイデア(主旨)を論理的な文章で説明する書き方のこと。」
パラグラフはいわばライティングの基本形といわれている書き方です。自分の文章を相手に明瞭に伝えるための書き方でもあります。そのためにはパラグラフの構造を守ることが必要になってきます。これはどういう意味なのか解説していきます。
パラグラフはどういう時に使うの?
パラグラフは汎用性が高い書き方なので論文(エッセイ)、説明文、ビジネスメールなどにも使えます。もちろんリベラルアーツの大学でも採用されている書き方です。パラグラフは長さは問いません。しかし、メインアイデア(主旨)を明確に説明できる長さは必要です。そして文章の構成と要点を理解しやすい構造になっています。
それでは見ていきましょう。
パラグラフ構造
パラグラフは3つの要素から構成されています。
パラグラフの構成
- トピックセンテンス(Topic Sentence)
- サポーティングセンテンス (Supporting Sentence)
- コンクルーディングセンテンス (Concluding Sentence)
1.トピックセンテンス
トピックセンテンスとはパラグラフのメインアイデア(主旨)を表す文になります。「トピック(主題)」と「コントローリングアイデア(Controlling idea)」の2つから構成されています。
トピックセンテンスの構成
- トピック(主題)➡テーマの主語となるもの 例:お金、人生、スポーツ、旅行、文化など。
- コントローリングアイデア➡トピックの範囲を限定する役割をもちます。
たとえば「定期的な運動は身体と精神の健康のに多くの利点をもたらします。」というトピックセンテンスがあるとするとトピックは「定期的な運動」そして、コントローリングアイデアは「身体と精神の健康に多くの利点をもたらします。」になります。
トピックセンテンスはパラグラフの初めに記述することが多いです。そして一文で表すことが理想とされています。読者は自分は何を読んでいるのか?どのようなトピック(主題)についてパラグラフが書かれているのか?という情報を先に知りたいのでパラグラフの方向性をまず示めします。
トピックセンテンスはトピックとコントローリングアイデアしか提示しないので抽象度が高くなります。
読者はこのトピックセンテンスを読めば「身体的および精神的健康に多くの利点をもたらす。」というポジティブな部分にパラグラフは焦点を当てていると理解してくれます。そして以下に続く文章はその「利点」の説明が述べられるのだろうと読者は期待してくれます。
ほかのトピックセンテンスの例
- 授業の課題は時間配分とテキストの読む速さが重要である。➡Topic「授業の課題」 Controlling idea「時間配分とテキストの読む速さ」
- 新入生にとって授業の履修届が分かりにくい理由は複数ある。➡Topic「授業の履修届が分かりにくい理由」 Controlling idea「複数ある」
- 大勢の学生を悩ませる出費として学費と教科書代がある。➡Topic「大勢の学生を悩ませる出費」 Controlling idea「学費と教科書代」
トピックセンテンスは最低でも主語と動詞が必要です。それは独立節である必要があるということです。
トピックセンテンスの悪い例
- 授業の履修方法
- 宿題の難易度について
- 課題の終わらせ方
上記は動詞がないのでトピックセンテンスにはなり得ないということは覚えておきましょう。
トピックセンテンスの2つのルール
トピックセンテンスについてもう少し解説したいことがあります。
ルール1
トピックセンテンスは関係のないコントローリングアイデアを複数含めないこと。たとえば「京都で有名なものといえばお寺、食文化、観光客の多さが挙げられる。」これはトピックセンテンスとしては悪いです。
なぜなら「神社やお寺、食文化、観光客」を説明するために1つのパラグラフで扱うには関連が無さすぎるからです。パラグラフは1つのメインアイデア(主旨)を統一性をもって説明しなくてはなりません。もしこの3つ「お寺」「食文化」「観光客」について書くのであれば同じく3つのパラグラフを作る必要があります。
トピックセンテンスのよい例としては「京都ではお寺がたくさんあるがその中で清水寺が有名である理由はいくつかある。」になります。関連するものは1つのパラグラフにする。そうでなければパラグラフを分けると覚えておきましょう。
ルール2
トピックセンテンスは具体性が高すぎても低すぎてもだめです。高すぎるとパラグラフの本文を書く必要性が無くなります。反対に具体性が低すぎるとパラグラフで何を議論するのか読者に伝わりません。そのためちょうどよいバランスを見つける必要があります。
- 具体性が低すぎる例➡京都では観光名所が多い。
- 具体性が高すぎる例➡奈良末期に坂上田村麻呂が建立したとされている清水寺は当初は法相宗であった。しかし、平安時代からは真言宗も信仰していた数少ない寺院の1つである。
- ちょうどよい例➡京都ではお寺がたくさんあるがその中で清水寺が有名な理由はいくつかある。
トピックセンテンスのまとめ
- パラグラフのメインアイデア(主旨)を表す文
- トピック(主題)とコントローリング・アイデアの2つから構成されている
- コントローリングアイデアは関連するものに限定する
- 具体と抽象のバランスが大事
サポーティングセンテンス
サポーティングセンテンスはトピックセンテンスを説明する文章になります。トピックセンテンスをさらに発展させる役割があります。
たとえば、あなたが定期的な運動についてのパラグラフを書いているとしましょう。トピックセンテンスを「定期的な運動は身体と精神の健康に多くの利点をもたらします。」とします。「多くの利点をもたらす」のであればサポーティングセンテンスはその利点の根拠を上げなくてはなりません。心臓病の予防につながるとか、体重の調整に役立つなどですね。トピックセンテンスに根拠を与えていないのであればサポーテイングセンテンスに含めるべきではないです。
「心臓病の予防につながるとか、体重の調整に役立つ。」は2点ともトピックセンテンスの根拠となっています。しかし、説明文としては少し足りないといった感じでしょうか?
そんな時はサポーティングセンテンスをさらに詳細に説明した文章を書きます。これをサポーテイングディテール(supporting detail)といいます。具体例、経験的事実、統計データなどを用いてさらに詳しく説明します。
具体例は個人的なエピソードや経験を書くことで読者により鮮明なイメージを持ってもらう事において効果的です。主に「for example~」「for instance~」「such as~」などがキーワードとなります。
- 心臓病の予防につながる。➡水泳やジョギングなどの活動は心筋を強化、血液循環の改善、心臓病や心血管疾患のリスクを軽減します。
- 体重の調整に役立つ。➡運動はカロリーを燃焼し代謝を高めることで体重の減少、糖尿病や高血圧などの肥満に関連した症状の予防になります。
といった医学的な証拠も入れることで詳細に説明できます。
サポーティングセンテンスのまとめ
- トピックセンテンスを発展(説明)させる役割がある
- サポーティングセンテンスはトピックセンテンスの根拠を提示する。具体例、経験的事実、統計データなどが使われる。
コンクルーディングセンテンス(concluding sentence)
コンクルーディングセンテンスとはいわば結論文のこと。パラグラフの終わりを合図し読者にあらためて重要なメッセージを伝える意図があります。コンクルーディングセンテンスは2つの方法で書く事が出来ます。
コンクルーディングセンテンスを書く2つの方法
- パラグラフの要点をまとめる
- トピックセンテンスを違った言葉で繰り返す
コンクルーディングセンテンスは必須という訳ではありません。特に短いパラグラフは必要ないです。ですが、長いパラグラフのであれば読者があなたの主張(トピックセンテンス)を忘れていたりするので再度書くといいです。
読者に大切なポイントをあらためて伝えることで力強くパラグラフを終わらせることができます。主に「Finally~」「In conclusion~」「To sum up~」などが結論文を示すキーワードとなります。たとえば「運動をライフスタイルに組み込むことで体力と精神の健康を改善しより充実した生活を送ることができる。」とまとめることができます。
パラグラフ構造のまとめ
パラグラフのメインアイデア(主旨)を表す文をトピックセンテンスと呼びます。これを主張(抽象度が高い定義/自分が言いたいこと)とします。そしてそのメインアイデア(主旨)を発展させる役割があるのがサポーティングセンテンスになります。これを根拠(主張を支える理由)とします。最後にパラグラフの終わりを示すのがコンクルーディングセンテンスになります。これを結論とします。これをまとめるとパラグラフの構造は「主張➡根拠➡結論」とまとめることができます。
もしパラグラフ構造ってなんだっけ?となったら「主張➡根拠➡結論」という構造で書くことであると思い出してください。
パラグラフを書く順序
- パラグラフのメインアイデア(主旨)を表すトピックセンテンスを初めに書く
- メインアイデア(主旨)を発展させるサポーティングセンテンスを書く
- 具体例、経験的事実、他者からの引用、統計データなどを書く
- パラグラフの終わりを合図するコンクルーディングセンテンスを書く
例題のパラグラフ
本記事で利用した例をパラグラフ構造で書いてみます。参考にしてみてください。
- Topic sentence-定期的な運動は身体と精神の健康のに多くの利点をもたらします。
- supporting sentence-水泳やジョギングなどの活動は心筋を強化、血液循環の改善、心臓病や心血管疾患のリスクを軽減します。
- supporting sentence-そして、運動はカロリーを燃焼し代謝を高めることで体重の減少、糖尿病や高血圧などの肥満に関連した症状の予防になります。
- supporting sentence-さらに運動はメンタルヘルスの向上に重要な役割を果たします。運動活動はいわゆる「気分を良くする」ホルモンとして知られるエンドルフィンの放出を引き起こし、気分を高揚させてストレスや不安を軽減させます。定期的な運動は認知機能の改善やうつ病の症状の軽減にも役立ちます。
- concluding sentence-結果として運動をライフスタイルに組み込むことで体力と精神の健康を改善しより充実した生活を送ることができる。
ではまた