リベラルアーツの大学教育【基礎知識編:その2】
こんにちは。ケンズです。
リベラルアーツの大学の年間スケジュールを教えてください!単位や日程、履修についても教えてほしいです!専攻ってどうやって選ぶの?基礎知識をもっと教えて欲しいって思っていませんか?
今回はこういった疑問にお答えします。
本記事の信頼性
この記事を書いている私はリベラルアーツの大学卒なので詳しく解説します。
本記事の内容
- 年間カレンダー
- 単位・日程・履修
- 専攻(学科)
1.年間カレンダー
リベラルアーツの大学の年間カレンダーは日本とは違うので詳しく解説していきたいと思います。まず初めに百聞は一見に如かずということでカレンダーの表をさっそくご覧ください。
年間カレンダー
秋学期開始 | 8月23日~ | 新入生到着日 |
8月24日~27日 | オリエンテーション(新入生、留学生のみ) | |
8月27日~ | 科目登録(新入生のみ。留学生は事前登録する大学もあり) | |
8月28日~ | 学生到着日 | |
8月29日~ | 授業初日 | |
9月6日~ | Add & Drop最終日 | |
(10月14日~11月3日) | 中間試験期間 | |
10月17日~20日 | 秋休み | |
10月31日~26日 | 春学期の科目登録 | |
11月27日~12月1日 | 感謝祭休み | |
12月13日 | 授業最終日(単位落とせる最終日) | |
12月16日~20日 | 期末試験 | |
12月21日~1月19日 | 冬休み | |
春学期開始 | 1月20日 | 学生到着日 |
1月21日 | 授業開始 | |
1月29日 | Add & Drop最終日 | |
(3月6日~29日) | 中間試験期間 | |
3月7日~15日 | 春休み | |
4月13日~30日 | 秋学期の科目登録 | |
5月5日 | 授業最終日(単位落とせる最終日) | |
5月7日~11日 | 期末試験 | |
5月11日以降 | 卒業式 | |
5月12日~8月下旬 | 夏休み |
注:大学により誤差はあります。Add & Drop(Drop&Add)とは単位を追加、落とせる期間のこと。
年間カレンダーの解説
授業期間
リベラルアーツの大学では9月から翌年の5月までの9ヵ月の期間を1年度としています。そして、1年度を秋学期と春学期の二つの学期に分けるセメスター制を導入しています。1学期は約15~16週間(約4か月)になります。
- 秋学期(Fall Semester):8月下旬から12月下旬
- 春学期(Spring Semester):1月下旬から5月中旬
セメスター制の特徴
セメスター制の特徴は単位の取得が1学期間で完結するということ。
- 秋学期:10月中旬に中間テスト➡12月に期末テスト➡単位取得
- 春学期:3月中旬に中間テスト➡5月に期末テスト➡単位取得
テストの期間は目安になります。これは教員と学生のスケジュール調整で変更されることがあります。授業によっては試験期間中ではなく授業中に期末テストを実施することもあります。中間と期末テストは必ずしも試験形式ではありません。論文提出やレポートを試験とすることもあります。
セメスター制のメリット
- 授業時間が短い
- 先生と学生のコミュニケーション
- 休みの期間が長い
1.授業時間が短い
セメスター制は1つの授業時間がクオーター制(秋学期、春学期、冬学期の3つに学期分割する制度)よりも短い事が挙げられます。授業時間が短いことで学業の集中力を保つことができるというメリットがあります。
2.先生と学生のコミュニケーション
セメスター制は先生と学生のやり取りの機会が多いです。もし授業での悩みや、上手くいかないことがあれば先生が助けてくれるでしょう。
3.休みの期間が長い
冬休みと夏休みが長いというのも特徴です。長期休暇がないとできないことにチャレンジをするチャンスです。学生はこの期間を使ってインターン、ボランティア、旅行などをしています。
休み期間
- 秋学期➡秋休み3日。感謝祭休み4日。
- 冬休み➡12月~1月(約3週間~4週間)
- 春学期➡春休み8日
- 夏休み➡5月~9月(約3か月)
入学、卒業時期
入学時期は9月または1月の2回。卒業時期も5月または12月の2回となります。しかし、卒業式は5月の春学期の1回だけ。
- 入学時期は9月または1月
- 卒業時期は5月または12月
この入学と卒業時期は日本のカレンダーとは違うので覚えておきましょう。リベラルアーツの大学は流動性が高く入学、編入、留学生などの入れ替わりが頻繁にあります。先学期同じ授業を受けていた友達が今学期になっていないってこともあります。
リベラルアーツの大学は既定の単位さえとれば卒業ができます。卒業時期が年に2回あること。そして在籍年数と関わらず卒業できます。極端ではありますが3年で卒業するということもできます。自分の都合に合わせて入学、卒業を考えましょう。
2.単位・授業日程・履修
次にリベラルアーツの大学の「単位」「授業日程」「履修」について解説します。これも日本の大学とは違うので詳しく解説していきます。
単位
1学期あたり平均単位取得数は15単位。1つの授業は平均3単位なので平均すると1学期間で5つの科目を履修します。1学期の平均取得単位が15単位であれば1年(2学期)で15×2=30単位となります。
もし大学を4年で卒業するのであれば➡「4年×30単位=120単位(卒業に必要な単位数)」という計算になります。
- 1学期あたりの平均単位取得数は15単位
- 1年(2学期)は15×2=30単位
- 4年×30単位=120単位(卒業に必要な単位数)
授業の日程
授業時間は月曜日、水曜日、金曜日が50分~。火曜日、木曜日が110分~となっています。月曜日に履修している授業は水曜日と金曜日の同じ時間帯にあるということです。そして火曜日にある授業は木曜日の同じ時間帯にあります。土日は休みとなってます。
単位数について
単位数は授業時間と課題の量に換算することができます。例えば、3単位の授業を履修しているとしましょう。授業は月曜日、水曜日、金曜日とします。授業時間は各50分~となるので1週間で150分(2時間半)となります。そして次の授業までの準備時間(課題をする時間)は一つの授業につき2時間程度と言われています。
もし授業の前日に2時間の準備時間を設けた時1週間で6時間必要となります。
最終的に3単位のクラスは授業時間と準備時間を合計すると1週間で「2時間半+6時間=約8時間半」となります。もし15単位(5科目)履修していたら1週間で「5(科目)×8.5(時間)=42.5時間」となります。そして42.5(時間)÷5日(勉強する日数)=約8時間30分となります。
つまり、一日に授業と課題の時間を含めると約8時間30分ほど勉強をしていることになります。
単位数の違いと傾向
一般的に単位数は1~4まで存在します。この単位数の違いは授業の傾向と関係があるので説明します。
1単位
授業は限定的で出席は週に1回のみ。出席だけで単位を取得できる授業もあります。授業時間が少ないので課題もほとんど無いです。春休みの課外活動なども1単位というコースもあります。そのほかにも理系の授業のラボ(実験)が1単位だったりします。私が受けた授業ではキャリア構成、そしてコーラスの授業が1単位でした。
2単位
補助的な授業で見る単位数です。中途半端な授業時間と課題量なのであまり多く見かける単位数でないのは確かです。課外活動なども2単位があるかもしれません。私はアコースティックの授業の課外活動は2単位でした。それ以外はあまりないかと思います。
3単位
最も一般的な単位数になります。基礎、上級クラスに関係なく週に3回、または2回の授業科目になります。課題の量も平均的です。私は心理学、統計学、天文学など大多数の授業は3単位でした。
4単位
主に教員との対面時間を要する科目が多いです。理系科目(授業+ラボ)、言語系、美術の科目などがあります。週に4回の授業科目になります。私の中国語と美術の授業は4単位でした。言語や美術などは長時間になりがちです。
単位の取り方にも種類があります。一般の授業を履修をする、留学、課外活動、ボランティア活動、オンライン授業、インターン、他の大学からの単位を移すなど複数あります。一般的な対面の授業だけではなくそのほかの活動も単位に換算することができるので”授業を受ける=単位を取れる”と考えないで視野を広げてみましょう。
スケジュールの具体例
仮に以下の5つの授業を履修していたとしましょう。
授業名:COM101-300(ピンク色)
曜日:月、水、金
時間:10:00-10:50分
授業名:MAT301-800(青色)
曜日:月、水、金
時間:12:00-12:50分
授業名:CSC380-802(橙色)
曜日:月、水、金
時間:1:00-1:50分
授業名:ART380-001(黄色)
曜日:火、木
時間:9:00-10:50分
授業名:CRM105-806(緑色)
曜日:火、木
時間:2:00-3:15分
それを授業スケジュール表に入れるとこんな感じになります。理系科目でラボ(実験)は変則的なスケジュールだったりします。
注:実験や美術系の授業は長くなるので時間は目安と考えてください。
履修について
前学期(秋学期の履修であれば春学期に、春学期であれば秋学期)に自分が取りたい授業を大学のウェブサイトでオンライン履修登録をします。
学期の授業初日から1週間程度、履修科目を変更できる期間(add-drop period)があります。興味のある授業があれば出席して追加しましょう。または必要ない授業は落としましょう。
初回の授業では自己紹介、シラバスの配布、授業の日程や内容などを確認するだけで終わると思います。なので授業がどのように進行するのかという感覚がつかめないと思います。感覚を掴むために2回目の授業も出席してみるのもありです。
例えば、月曜日の授業であれば水曜日の同じ時間帯に授業があるので1週間以内に2回出席することも可能です。そこでその科目を履修するかしないか判断すればいいです。履修科目が決まったら期間中に大学のウェブサイトにログインをしてオンラインで履修登録をしましょう。
質問その1:履修期間が過ぎても途中で授業を追加できる?
追加できるケースもあります。もうすでに授業がかなり進行しているのであれば難しいです。先生も履修を断ると思います。しかし、授業によっては途中参加が可能です。私はキャリア構成という授業があったのですが授業開始から1カ月後に参加してます。履修条件としてはそれまでの課題を2週間以内に終わらせる。そして欠席は1回もしないことでした。
稀ではあるので担当教員との相談が必要になります。日本の大学ではあり得ないと思いますが教員や事務との交渉次第ということです。
質問その2:単位は落とせるの?
授業の最終日までなら単位を落とすことができます。学生が単位を落とす理由としては2つあります。それが成績が思わしくない時、そしてスケジュールに授業を詰め込み過ぎている時です。
1.成績が思わしくない時
授業の終盤で成績が思わしくない時に計画的に単位を落とす学生がいます。これは大学院や医学系の道に進みたい学生にありがちです。いったん単位を落として来年同じ授業で良い成績を取るという方法ができます。単位を落としてまでいい成績とる必要ある?って思うかもしれませんが大学院に進む人にとっては大学の成績は大事なのです。
2.スケジュールに授業を詰め込み過ぎている
授業と生活のバランスが取れず時間管理が上手くいかないと単位を落とす結果になります。1学期に20単位を履修してた知り合いがいましたが課題が終わらず単位を落としてました。また卒業時期を早めたい人なども1学期間に15単位以上を取るので忙しくなります。
3.専攻
リベラルアーツの大学では専攻(学科)は2年生の終わりに決めます。学部は教養学部で2年の終わりに学科を自分で選ぶということですね。2年間という時間をかけて専攻を選ぶのでかなり幅広い教科をそれまでに履修できます。
リベラルアーツの大学では文理隔てなく学問を学ぶことが重要だとされています。そのため学生は文系と理系の教科を履修することが卒業条件の1つになります。
自分は専攻を(学科)広げたい!という人は2つ専攻することも可能です。たとえば、社会学と経済学または数学と統計の専攻とかですね。これをダブルメジャー(Double major)と言います。
伝統的にはリベラルアーツの大学は文系科目に強みがあると言われています。なので社会科学、芸術、人文、コミュニケーションが得意であればリベラルアーツの大学に向いているかもしれません。
ですが、リベラルアーツの大学は理系科目も充実しているので最近の傾向としてはSTEM科目を専攻する学生も多くなってきました。STEMとは科学(Science)技術(technology)工学(engineering)数学(mathematics)の略。
履修科目と専攻について詳しい解説を知りたい人は参照:>>リベラルアーツの大学教育【学年別に履修科目を選ぶ方法】をご覧ください。
アドバイザー
各学生にはアドバイザーと呼ばれる教員が割り当てられています。履修、学業での悩み、そのほかの大学生活に関係することであれば相談できる存在です。アドバイザーと面談後に専攻を決めたりするので顔見知りにはなると思います。私の大学ではジェネラルアドバイザー(一般担当)とメジャーアドバイザー(専攻担当)がいました。
ではまた